「思考は現実化する」という言葉は、自分で
ビジネスをしようと思っている人であれば、
自己啓発の本などでもう飽きるほど聞いて
きたことでしょう。

ここではこの言葉について私の意見を述べます。

思考は現実化

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■思考は「時間はかかるけど」現実になる

まず、思考すれば何でも現実になるなんて
いうことはあり得ません。

たとえば今29歳の人で年収300万の人が「30歳までに
年収1億」なんて目標を立てたとしても、現実には
絶対にならないわけです。

(する方法もあるかも知れませんが、一部の天才を
除けば、大抵は詐欺まがいの方法です。

なぜなら「世の中にとって1億の価値のあること」が、
そんなにすぐに生み出せるわけがないからです。
*繰り返し言いますが、一部の天才は別です)

少し話がそれました。

つまりいくら「思考は現実化する」と言っても
「限度がある」ということです。

最終的には叶うにしても、それがすぐに実現する
とは限らない、自分が脳内で決めた「締め切り」までに
絶対に実現するとは限らない、ということです。


■しかし、後々実現することは多い

ところが、「すぐに」は実現しなくても、本人すら
忘れていたような頃に思いがけず実現する
ということはよくあります。

たとえば漫画家のやなせたかしさんは、長い漫画家の
キャリアの中で、自分に代表作がないことをずっと
嘆いていました。

アンパンマンでブレイクした頃には60歳を
過ぎていましたが、それまではずっと、自分より
年下の手塚治虫などが大活躍しているのを、
ずっと横目で見ている人生だったわけです。

60歳も過ぎると、人生は晩年です。まして
やなせ先生の世代であればなおさらでしょう。

「もう自分に代表作なんて生まれないかな」という
ネガティブな気持ちになったことも多々あったそうです。


■アンパンマンのアニメ化にも、15年近くかかった

実際、アンパンマンの出だしも不評で、出版社には
「もうこの一冊で終わりで」と言われていたし、
保護者世代の評価も散々だったそうです。

ただ、子供たちには意外な人気があり、それが
地道に続いていくうちに、15年経ってようやく、
アニメ化したんですね。

その時やなせ先生は70歳が近づいていました。

やなせ先生も、早くから「代表作がほしい」と
思っていた以上、「○○歳までに国民的な作品を描く」
みたいなことは何度も考えていたと思います。

少なくとも、こんな遅い年齢になることを希望も
してなかったでしょうし、予想もしていなかった
でしょう(普通は不利な年齢ですから)。

しかし、やなせ先生の思考は「時間はかかったけど」
実現したわけです。私が「思考は現実化する」という
言葉に「時間はかかるけど」と追加するのは
そういう理由です。

私たちもビジネスをするにあたっていろいろ目標を
立てると思いますし、その締め切りを守るのも大事ですが、
それを守れなくても、そこで終わりではない
ということをよく意識しましょう。