このタイトルはマキャベリの「君主論」の有名な
言葉から取っています。

「支配者は、獅子のように勇猛で、キツネのように
狡猾であれ」というものです。ジョブズの場合「獅子」は
わかると思いますが、どこが「キツネ」なのでしょうか。

それを説明します。

アップル

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■アップルは、節税でも史上最強レベル

アップルはあれだけの利益を出しながら、世界のどの国でも
ほとんど税金を納めていません。

ダブルアイリッシュ、ダッチサンドイッチと呼ばれる
高度なテクニックを駆使して、税金をゼロに近づけて
いるのです。

(いろんな国の税法を組み合わせて、合法的に租税を
回避する方法です)

世界の税金の専門家は、このアップルの節税スキームを
評して、「アップルの起こしたイノベーションは、
アイパッドでもアイフォンでもなく、節税スキームだ」と
言っているくらいです。そのくらい節税でもすごいんですね。


■日本人は節税のことを知らなすぎる

日本人はお金の教育全般ができていないのですが、その中でも
特に節税について疎いです。日本人が節税に疎い理由は、

・英語ができない(国際税法を組み合わせた方法に弱い)
・日本の税法がそもそも厳しい
・節税に罪悪感を持っている

というものです。一番大きいのは一つ目ですね。英語が本当に
弱いのです。完璧な節税というのは国際税法を組み合わせて
初めてできるもので、自国単独では難しいのです。このあたりは、
日本人が不利なのは仕方ないかもしれません。

2つ目の理由は、これも突き詰めると「英語ができない」です。
というのは、日本で店舗や工場をガンガン構えているAmazonや
スターバックスの日本法人も、日本で税金を納めていないのです。

ということは、英語ができて海外の税法を駆使できれば、
日本でビジネスをしていたとしても納税ゼロにすることは
可能なのです。なので、これも結局「英語の問題」なんですね。

そして最後がこれです。節税をけちくさいと思う日本人は
多いです。しかし、冒頭に書いた通りアップルが最強の企業に
なれたのは、獅子の強さとキツネの狡猾さの両方を、ジョブズや
経営陣が持っていたからです。

キツネになることは悪ではないのです。ならなくては
いけないんですね。マキャベリの時代から、もっというと
中国の韓非子という紀元前から言われていたことなので、
これは間違いなく真理なのです。

あなたもぜひ意識してみてください。