私の知り合いのデザイナーが今、あるベストセラーの
図解版の図解を担当しています。

店頭に並ぶまで書名は明かしてはいけないそうですが、
世界各国で出版されている本で、日本だけでも50万部
売れたという本です。

読書

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

2013年のビジネス書などのランキングで多く1位を
獲得した本なので、聞けば多分「あれか」と思う人も
多いでしょう。

この記事では、彼がその図解をしていて気づいた
ということを紹介します(明かしてもかまわない範囲で)。


■世界的ベストセラーでも、穴がある

図解をするためには、原文を相当読み込む必要があります。
「これって、こういうことだよね」というのを、原文の
10分の1程度の文字数で説明するわけですから、この時の
読解というのは半端ではないのです。

なので友人もこの本を精読したのですが、精読して初めて
気づいた間違いがあったそうです。

それは知識でわかる間違いではなく、数学の証明の
間違いのように「明らかに間違い」(論理的に間違って
いる)というものです。

それを書いてしまうと原作否定になるので、そこは
図解版でも封印するそうですが、友人がその時気づいたのは、
「人間は、本を読んでいるつもりで、全然読んでいない」
ということだったそうです。


■普通に読むだけだと「なるほど」とスルーしてしまう

その間違っていた部分は、一見正しいことが書かれて
います。

友人も1回読んだ時は「へー、なるほど」と思ってむしろ
参考にしたそうです。

しかしそこを図解する段階になって初めて、「ん?説明
しきれないぞ」と思って、数学の証明のように紙に
書きながら考えたら「これは矛盾している」ということに
気づいたそうです。

これに気づいた時彼は「今まで自分が読んできた本は、
多分ほとんど読めていない」ということに気づいたそうです。

「読んでいるつもりで読んでいない」ということですね。
割と読書家だと自分で思っていた友人は少しショックを
受けたそうです。

思うに私もそういう部分は多々あると思います。
見ているつもりで見ていない、聴いているつもりで
聴いていないということはたくさんあると思います。

特に一見ありふれているような言葉で、それをやっていると
思います。

松下幸之助の言葉とかウォーレン・バフェットの言葉とかが
そうですね。

これからはもっと謙虚になって「自分は何も読めていない、
聞こえていない」というくらいの慎重さを持って、情報と
接したいと思いました。