■アメとムチ

これは小学生でも使うくらい有名な言葉ですが、
この単純な言葉の中には「罪と罰」などの真理がたくさん含まれています。

アメとムチを四字熟語でいうと「信賞必罰」となります。
これはたとえば孫子の兵法でももっとも力を入れて説かれている部分です。

「孫子の兵法」というと、たとえば「火攻めはこうやれ」とか、
「弓隊はこのように配置しろ」とか、そういう具体的な戦術が
書かれているのをイメージするかも知れません。

しかし、それは戦争マニアの考えること、好むことであり、
実際の孫子の兵法はこれとはまったく真逆なのです。

退屈なくらい本質の部分だけを語っており、
「そもそも戦うな」とか「軍隊を強くするのは規律である」とか、
ほとんど政治の本のようなことが書いてあるんですね。

この「規律である」の部分で彼が説いていることは、まさにアメとムチです。
「活躍したら褒美をやる。規律を破ったら罰を与える」
というシンプルなルールを徹底するだけで、
軍隊は見違えるほど強くなる、というのが彼の持論でした。

(事実、彼は戦えば常に勝つ、天才的な実績を残しています)

このルールは簡単なようですが、実際にはみんなできていないのですね。
たとえば自分に対してアメとムチをしっかり与えている人はいるでしょうか。

アメについては、いわゆる「自分へのご褒美」ということで、
多くの人がやっていると思います。
(実際には、飲み過ぎて頭痛がするなど、
 ご褒美どころか罰ゲームになっていることも多いのですが)

逆にムチについてはできているでしょうか。
これは、私が見る限り95パーセントくらいの人は出来ていないと思います。

多くの人が勘違いしているのは、
失敗した時に自分を責めるのがムチ、ということ。

しかし、これは逆効果です。
自分を攻めたら自信をなくすだけであり、
ムチとはそういうものではないのです。