■「フェルミ推定」によって、売り上げを計算する

フェルミ推定というのは、今わかっているデータから、
わからないデータを予想する、というものです。

フェルミ推定

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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たとえばその商品が、
ワンピースのルフィのTシャツだったとします。
それをどれだけの人が買うかを計算します。

まず真っ先に「ワンピースの漫画をどれだけの人が読んでいるか」
を計算します。
Tシャツを買うくらいの人は、
かなりの確率で漫画を読んでいるからです。

たとえばワンピースの初版が300万部とします。
「だから300万人」というのは当然間違いです。

1冊の漫画は、以下のように多くの人に読まれます。

・友達に貸す
・漫画喫茶の本棚に並ぶ
・レンタル漫画に使われる
・古本に売られる

…と言う風ですね。
「普通の喫茶店、床屋」などもありますが、
とにかくこうやって洗い出します。

そして、たとえばですが「1冊あたり5人は読む」
という結論が出たとしましょう。

そうすると、ワンピース1冊を5人の人が読む、
つまり、1500万人が読む、ということです。

そして、そのうちルフィのファンがどのくらいいるかを考えます。
Tシャツを買うくらいのファンといっても、値段によります。
たとえばそのTシャツの値段が3000円だとしましょう。

3000円のTシャツを買うファンは限られています。
1500万人の読者のうち、とりあえず10万人としましょう。

これも全員が買ってくれるわけではありません。
たとえば東京駅のジャンプショップなどで見つけたら買う、
という人はいても、「自ら検索してまで買う」という人は、
もう少し少なくなるからです。

なので、大雑把に5万人とします。
そして、その5万人をライバル店と取り合うわけです。

ライバル店を一覧にして、
「もしこの中で、自分が相場の7割で売ったら…」
と考えます。

そうすると、「Aの店が30%、Bの店が10%…」というように、
大体のシェアが予想できるでしょう。

そして「うちの店が40%」となったら、
あなたの売上枚数が決まる=利益の金額も決まる、ということです。

決まるのは利益の金額だけではありません。
「○枚仕入れるということは、それを捌くための時間は…」
など、仕入れ、販売段階での手間やコストもすべて計算できます

…という風に、フェルミ推定をすることで、
売り上げなどもある程度の計算ができるのです。

これはネット通販をするのであればぜひ身につけるべきスキルです。
難しいと思われたかも知れませんが、
その難しいことを的確にやるのが経営者の仕事です。

逆にいうと、これが出来ずにどんぶり勘定でやっているお店が多いので、
「自営業は難しい」ということになるわけです。

経営はこのように常に逆算できるものであり、
その逆算が無理のあるものでなければ、
難しいことは何もないのです。

あとは、自分の一時の感情に支配されず、
その逆算を淡々と現実にしていく実行力です。