■他人の課題とは何か?

具体例をあげると、たとえば電車を待っている時。
何となく「ストレッチしたいな」と思っても、
人目が気になってやらなかった…というような経験は、
日常何度も体験しているはずです。

他人の課題

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

ここでの「他人の課題」というのは、
「ストレッチをしているあなたを見て、どう思うか」です。

つまり「ストレッチをしたら、どう思われるだろう?」
というのは、「他人の課題」なのです。
「あなたの課題(自分の課題)」ではないんですね。

では、あなたの課題(自分の課題)は何か。
それは「今ストレッチをするかどうか」です。
ただそれだけです。

もっと言うと、こうです。

「自分が正しいと思ったことをやるかどうか」
「自分がやりたいと思ったことを、堂々とやるかどうか」
「間違ってないことを、人目を気にしてやめる自分を、
 超えられるかどうか」

人目
これが「自分の課題」です。
「人からどう思われるか考える」というのは、
一見「自分の課題」のようですが、
全然自分の課題ではないのです。

「他人の課題を、自分の課題と思い込んでいるだけ」なのです。


■ベストセラー『嫌われる勇気』の意味

アドラー心理学が今話題になっているのは、
知っている方も多いでしょうが、
『嫌われる勇気』という本がベストセラーになったからです。

このタイトルも、上に書いた「他人の課題」の説明で、
わかっていただけると思います。

嫌われる勇気
嫌われる勇気はつまり、
「自分の課題と、他人の課題を分ける」という勇気なのです。

「自分にとって大切なことは何か?」だけを考え、
それが違法なものだったり、
明らかに人を間違ったやり方で傷つけるものでなければ、
それは断固実行する、それが「嫌われる勇気」です。


■キング牧師もリンカーンも、ケネディも暗殺された

嫌われる勇気の典型例は、キング牧師やリンカーン、
ケネディ、ガンジーなどです。

彼らは「人種差別」などの「他人の課題」は無視し、
ひたすら「正しいと思ったことを貫く」という、
「自分の課題」に邁進しました。

貫く
結果殺されてしまったわけですが、
彼らは不幸だったでしょうか。

もし拷問されていたら不幸だったかも知れませんが、
とりあえず「死」という現象だけみたら、
我々の祖父母とかと同じく、ただ死んだだけなのだから、
決して不幸でも苦痛でもなかったと思います。

(もちろん、生きている間にいろいろ大変なことは
 あったでしょうが…)

彼らのレベルまで行くと命がかかってしまいますが、
このように「自分の課題」と「他人の課題」という
分け方を意識すると、思い切った行動を
取りやすくなるのではないでしょうか。