■最後に ~結局、ブランディングの本質は何なのか~

最後にもう一度、ブランディングの本質をまとめましょう。
単純な定義は、「自分や商品の価値を高めること」です。

ブランディングの本質

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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では、それは何のためにするのかといえば、
それは「周りにメリットを与えるため」です。

あなたのブランドが上がることで、関係者のブランドも上がるということ。
教え子さん、師匠、出会った人々などですね。
いわば自分が一種の株券であり、ブランディングというのは、
その株の価値を上げていくことなのです。

(教え子さんや師匠などは株主なんですね)

ブランディングというと「嘘をつくこと」とか
「見栄をはること」という風に勘違いしている人もいるかも知れません。

確かに一部でそういうブランディングがまかり通っているのは事実です。
しかし、実際のブランディングは人を幸せにするものであり、
「同じものでもより多くの満足を感じてもらう」という技術なのです。

たとえば、ブランド価値のない会社が「本当にいいバッグ」
作ろうとすると、材料かもしくは設備で、大量の資源を投資する必要が
あります。

しかし、シャネルなどのようにブランド価値があれば、
「ただのバッグ」なのにお客さんを喜ばせることができるのです。

幻といえば幻かも知れませんが、
それでも「少ない資源」で人をより幸せにしているのですから、
どちらが合理的で環境にやさしいかといったら、シャネルの方ですよね。

という風に、ブランディングは確かにある意味幻想です。
しかし、幻想だからこそ合理的な部分もあるのです。

目に見えるものしか信じないという人は、
そもそも、自分がタンパク質の塊にすぎない、ということを
思い出すべきでしょう。

そのタンパク質の塊に「自分」を感じるのは脳の幻想に過ぎず、
私達の世界はすべてそういう幻想で成り立っているのです。

世界が最初からそういう風に幻想で成り立っているのだから、
そこで展開されるビジネスでも、ブランディングという「幻想」が
力を発揮するのは当たり前なんですね。

…というのがブランディングの本質的な部分です。
「世界は所詮幻想である。幻想の中でビジネスをするのだから、
 幻想に合わせるテクニックが必要である」


という事実を再認識しましょう。