最近の就職できない若い人たちがよく口にするのは、
「自分に向いている仕事が見つからない」というものです。
気持ちはわかりますが、結論からいうと
「そんな仕事はどこにもない」のです。
成功する人というのは「向いている仕事なんて後から見つかる」と思い、
まずは目の前の仕事やチャンスに没頭して打ち込んだ人たちです。
例として、今年から中日ドラゴンズに復帰した、
落合博満GMの話をしましょう。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く
■やったこともないセカンドで、レギュラーを掴む
落合監督は現役時代、3つのポジションでベストナインに
選ばれています。
ファースト、セカンド、サードの3つですが、最初にレギュラーを
掴んだのはセカンドでした。
というと、高校時代や大学時代からセカンドをやっていたのかと
思われるかも知れませんが、まったくやったことがありませんでした。
落合監督がプロ入りしたのは25歳ですが、それまで一度も
やったことがなかったのです。
にも関わらずセカンドに目をつけたのは「チーム内に競争相手が
いなかったから」です。ここで頑張ればすぐにレギュラーに
なれるだろう、と思ったわけです。
レギュラーになれるなら、ポジションなどどこでもよかった、
と著書の「采配」の中でも語っていますし、その他の
インタビューでもしばしば語っています。
プロ野球選手にとって、25歳というのはかなりの年齢です。
それでもまったく抵抗を持たずに初めてのポジションの守備練習を
したわけですから、これがいかに覚悟の要ることだったか
わかるかと思います。
■本当に「何でもする」覚悟があるか?
「成功するためなら何でもする」と口にする人はいますが、
実際にはこれは口だけです。何でもすると本当に思っているなら、
落合監督のように初めてのポジション
(しかも、セカンドという一番守備の負担の高いポジション)にも、
いい年齢でも挑んでいくようなチャレンジ精神が必要なのです。
そして、このエピソードは冒頭の「向いている仕事」を
探している人たちにもぜひ知ってもらいたいと思います。
ベストナインをセカンドだけでも4回獲得した落合監督すら、
セカンドに向いてなどいなかったのです。ただチャンスがあったから
セカンドでデビューし、その後は状況に合わせてサードやファーストも
守ったのです。
チャンスがあれば何でもつかむ、何でも適応する。
チャンスがなければ今与えられた仕事をする。それが成功するための
鉄則と言えるでしょう。