お金持ちの世界では「甲子園を見て喜んでいるような
人間はお金持ちにはならない」というのが常識に
なっています。なぜでしょうか。その理由を説明します。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く
■甲子園は格差をさらに広げる場所である
甲子園は二つの意味で格差を広げます。
1.将来若くして何億も稼ぐプロ野球選手を育成する
2.学歴で有利な有名校をさらに有利にする
という2点です。
最初に断っておきますが、私は高校野球はかなり好きです。
その頂点である甲子園もマニアというほどではないですが、
人並みかそれ以上には好きです。
また、お金持ちの全員が高校野球の応援を嫌っているとは
言いません。ただ、あまり一般的には共有されていない
視点なので、知ってみるといいと思います。
■格差の下の人たちが、上に行く人たちを応援する構図
甲子園で応援される人とする人の構図というのは、
とどのつまりこの見出しのようになっているのです。
格差社会の「下の人」が「上の人(これから上に行く人)」を
応援する構図なのです。こういうと反発を招きそうですし、
私もこれは極端な見方だとは思いますが、物理的に
見るとそうなっているのです。
プロ野球選手が何億も稼いでいるということは、その
球団の親会社もそれだけ潤っているということです。
それらの会社の経営者やエリート社員の高給というのは、
そこら辺の時給800円のフリーターの方々の働きや、
月収20万からほとんど上がらないような「正社員」の
方々の働きによって支えられているのです。
そうした収入的に「下の方」にいる人達が、自分達を
そのような安い給料で使って大きな利益を上げる人たち
(球団関係者など)を間接的に応援している、というのが
高校野球応援の構図なんですね。
■学歴社会もさらに助長する
さらに上に書いた通り学歴社会の格差もいっそう助長します。
野球の強豪校の中にはスポーツ以外取り柄のない学校も
ありますが、私立ということで、勉強でも優秀な学生を
特待生として集めて、学業でも高い実績を上げている
ところはたくさんあるのです。
そのような学校がスポーツでも有名になったとしたら、
取り柄のない普通の高校を出ている人たちは、ますます
その自分の学歴の価値を下げてしまいます。
有名校を卒業した人が母校を応援するというなら
まだ話はわかりますが、そうでない人、学歴社会で不利な
学歴の人が高学歴の学校や有名校を応援するというのは、
何ともおかしな構図なのです。
ちなみに、甲子園の経験者は野球に関する仕事をしなくても、
大抵営業マンなどで重宝されます。甲子園経験者という
だけで面接の受けはいいですし、取引先との会話なども
有利だからです。
つまり、高校球児を応援することは、ただでさえ高い就職の
競争率をさらに上げるということでもあるのです。
■こういう視点だけは持っておこう
このようなことを書くと、性悪説的でひねくれた見方と
思われるかも知れません。実際、私もこういう見方を
100パーセント支持しているわけではありません。
ただ、こういう見方もあるよ、ということは
知っておいて損はないでしょう。