ドラッカーの教えから学ぶことはたくさんありますが、
今回は「物事は、人間が思っているより倍の時間が
かかる」という言葉について説明します。

(「倍」でなく「三倍」と表現されることも
ありますが、大筋は同じ意味です)

ドラッカー

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■仕事は、大抵予想外のトラブルが起きる

人間の仕事は、それが「たわしを買ってくる」という
些細な用事であったとしても、必ず想定外のトラブルが
起きるものです。絶対ではないですが、少なくとも全てが
思い通りに行くということはまずありません。

たとえばたわしを買いに行った場合に考えられることは、

・行ったお店が休業日だった(営業時間外だった)
・たわしが売り切れていた
・望み通りのたわしがなかった
・思っていたよりも高かった
・財布を忘れた
・買ったはいいけど、使ってみたらちょっと違った

…などです。たわしを買うことの目的は、「たわしを買う」
ではありません。そのたわしを使って「快適な掃除」を
することです。ということは、最後の「快適な掃除」まで
実現されなければいけないわけですが、「買って使って

みたら違った」というトラブルが起きた場合、さらに
もう1回、別のものを買いにいく必要があるのです。

これが「物事は倍の時間がかかる」というドラッカーの
言葉の真意です。


■ということは、目標の計算も2倍の時間で考える

ネットビジネスでよくある目標は「○ヶ月で月収100万円」
というものです。

これはもちろんいいことですし、私もそれを目標として
今はもう実現しているわけですから、大いに応援したいと
思います。

ただ、ドラッカーの理論にしたがえば、「三ヶ月で」と
目標をたてた場合、実質「一ヶ月半」で達成する必要が
あるのです。そのくらいして初めて、希望通り三ヶ月で
達成できるというわけです。

これは「そういう気持ちでいろ」というマインドの話では
なく、「計画そのもの」を一ヶ月半で達成するようなものに
しないといけないわけです。
これがいかに難しいか言うまでもないでしょう。

こう考えると、何かを公言することが怖くなると思います。
だからこそ孔子も「賢者は口が重い」と、賢者の唯一の
条件を「口が重いこと」として弟子に語ったわけです。

ドラッカーの言っていることも、根底は同じだと言える
でしょう。