ビジネスには「火花散る一瞬」というものがあります。
ここではこの言葉の意味を解説します。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く
■その仕事の本質が現れる瞬間
「火花散る一瞬」というのは、この見出し通り
「その仕事の本質が現れる瞬間」です。
たとえば野球選手であれば良いプレーをしてお客さんに
盛り上がってもらう時、カフェの店員さんであれば淹れ
たてのコーヒーをお客さんに渡して喜んでもらう瞬間
(あるいは満足した顔で「ごちそうさま」と言って
もらえる瞬間」などでしょう。)
この言葉は、以前にも
取り上げたスターバックス日本法人の元CEOである、岩田
松雄さんの著書「ミッション」に書かれていたものです。
この「火花散る一瞬」というのは、この本の中で特に
重要な言葉で、岩田さん自身の人生の中でも重要な言葉と
なっているので、ビジネスをする人はぜひこの言葉を意識
するようにしましょう
(別に岩田さんの信者になれというようなことではなく、
他の経営者もみな同じようなことを考えているからです)
■どのようなケースで生まれた言葉か?
この言葉が生まれた時はどのようなケースだったのかと
いうと、岩田さんが大学を卒業してまもなく、日産自動車に
就職した時のことです。
その時、工場に行った時にそこの上司に言われたそうです。
その工場は溶接を担当する場所でした。つまり、そこの仕事は
「金属と金属をくっつけること」です。その他にもラインの
改善などいろいろ仕事はありますが、一番大事なのは
「金属をくっつけること」なのです。
金属を溶接してくっつける瞬間、火花が散ります。その
作業風景を一緒に見ながら、上司が岩田さんに向かって
いうわけです。
「いいか。岩田。俺達の仕事が人の役に立っているのは、
あの一瞬だけだぞ。あの火花散る一瞬だけ、俺達は社会と
つながっている。
あれ以外にも職場の環境改善とか、調達ルートの見直し
とかいろいろな仕事があるが、それらは本当に
お客さんとつながっている仕事ではないんだ」
という内容です。まったくその通りで、お客さんに
とってはこの「火花散る一瞬」以外はすべて関係が
ないわけです。そして、仕事のモチベーションの源泉と
なるのも、やはりこの一瞬なんですね。
この一瞬をいかに気持よく、いかに多く体験するかが
その人の仕事を一生左右すると言えます。
ネットビジネスの「火花散る一瞬」は何でしょうか。
それはその人の仕事内容にもよりますが、ぜひあなたの
ビジネスのそれを見つけてください。
[…] ドラッカーの教えから学ぶことはたくさんありますが、 今回は「物事は、人間が思っているより倍の時間が かかる」という言葉について説明します。 (「倍」でなく「三倍」と表現されることも ありますが、大筋は同じ意味です) ■仕事は、大抵予想外のトラブルが起きる 人間の仕事は、それが「たわしを買ってくる」という 些細な用事であったとしても、必ず想定外のトラブルが 起きるものです。絶対ではないですが、少なくとも全てが 思い通りに行くということはまずありません。 たとえばたわしを買いに行った場合に考えられることは、 ・行ったお店が休業日だった(営業時間外だった) ・たわしが売り切れていた ・望み通りのたわしがなかった ・思っていたよりも高かった ・財布を忘れた ・買ったはいいけど、使ってみたらちょっと違った …などです。たわしを買うことの目的は、「たわしを買う」 ではありません。そのたわしを使って「快適な掃除」を することです。ということは、最後の「快適な掃除」まで 実現されなければいけないわけですが、「買って使って みたら違った」というトラブルが起きた場合、さらに もう1回、別のものを買いにいく必要があるのです。 これが「物事は倍の時間がかかる」というドラッカーの 言葉の真意です。 ■ということは、目標の計算も2倍の時間で考える ネットビジネスでよくある目標は「○ヶ月で月収100万円」 というものです。 これはもちろんいいことですし、私もそれを目標として 今はもう実現しているわけですから、大いに応援したいと 思います。 ただ、ドラッカーの理論にしたがえば、「三ヶ月で」と 目標をたてた場合、実質「一ヶ月半」で達成する必要が あるのです。そのくらいして初めて、希望通り三ヶ月で 達成できるというわけです。 これは「そういう気持ちでいろ」というマインドの話では なく、「計画そのもの」を一ヶ月半で達成するようなものに しないといけないわけです。 これがいかに難しいか言うまでもないでしょう。 こう考えると、何かを公言することが怖くなると思います。 だからこそ孔子も「賢者は口が重い」と、賢者の唯一の 条件を「口が重いこと」として弟子に語ったわけです。 ドラッカーの言っていることも、根底は同じだと言える でしょう。 前の記事に戻る次の記事を見る […]