成功法則という言葉は、あまり意識しなくても
いいかなと私は思っています。

理由をつれづれなるままに語っていきます。

遅咲き

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■成功者の人生を見ていても千差万別

世の中にはいろいろな成功者がいます。若くして
最短で成功したということが売りの人もいれば、
ずっと芽が出なかったのに老後に花を咲かせたと
いうことが売りになっている人もいるわけです。

後者の例で一番有名なのはケンタッキー・フライド
チキンの創業者であるカーネル・サンダースですし、
最近の日本では詩人の柴田トヨさんという方もいます。

トヨさんが歩んだ人生を見てみると、成功法則という
言葉がいかに虚しいものであるかがわかると思います。


■出版の歴史に残るベストセラー詩集を、99歳で出す

トヨさんは、98歳で初めての詩集を自費出版するまで、
どこにでもいるただのおばあさんでした。Wikipediaで
彼女の経歴を見てみるとそれがよくわかります。

「○○年、どこどこで生まれる」というプロフィールの
定番の文章の直後、次の行ではもう「98歳で最初の詩集を
自費出版」と、いきなり98年の時を超えてしまっている
わけです。軽く一世紀ですね。

最初はただの自費出版だったトヨさんの詩集
「くじけないで」ですが、彼女の経歴もあって徐々に
話題を呼び、99歳の時には商業出版されました。

そして、詩集なのに150万部を超えるという、出版の歴史に
残るような驚異的なベストセラーとなったのです。


■詩集で150万部は、おそらくもうあり得ない

これがどれだけすごい数字かは、東日本大震災の後に
ヒットした金子みすずの詩集と比較するとわかります。

「こだまでしょうか」の人ですね。金子みすずは日本の
詩人の代表的な人ですが、それだけ知名度がある人で、
あれだけテレビCMでいやになるくらいガンガン放送
されてもその後に売れた「リバイバルヒット」の部数は、
わずか1万部か2万部だったのです。

わずかと書いていますが、詩集の世界ではこれだけでも
十分すごいのです。

だからこの時も「金子みすずのリバイバルヒット」として
話題になったのですが、これと比較するとトヨさんの
150万部という数字がいかにすごいかわかるでしょう。

彼女がこのような伝説的な記録を作ることができたのは
「98年何もない人生だったから」です。

「そういう人生もありなんだ」ということで多くの人が
彼女に興味を持ったから、彼女の詩集はこれだけ売れた
のです
(もちろん、文章自体もきれいだったとは思いますが)。

若くして成功するというのはいいことですし、ネット
ビジネスの世界に入る人はできるだけ早く成果を
出したいと思っているでしょうが、最短で成功すること
だけが人生ではないのです。