ドラッカーはマネージャーの唯一の条件として
「才能ではない。真摯さである」という名言を
残しています。

この言葉について考えてみましょう。

真摯

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■もしドラの序盤の名場面

『もしドラ』(もし高校野球の女子マネージャーが…)には
たくさんの名場面がありますが、序盤の名場面はこれです。

読んだ方は記憶に残っていることも多いかと思います。
何もわからずに『マネジメント』を買ってしまったみなみが、
偶然この言葉を見つけるんですね。

「マネージャーに必要な資質は、大抵が後天的に獲得できる
ものである。しかし、最初から先天的に身につけていなければ
ならないものが一つだけある。才能ではない、真摯さである」

というものです。全文は記憶していませんが、ほぼこのような
内容の文章です。みなみはこの最後の「才能ではない、真摯さ
である」という言葉を見て、真摯さという意味もわからないの
ですが、「真摯さってなんだろう?」と呟きながら、なぜか
涙が止まらなかったのですね。

これはその後の野球部の成功や友人の死など、これから
みなみの人生に起こることを彼女が本能的に気づいていた…のか
どうかはわかりませんが、ある種の直感が働いたのでしょう。

と同時に「これは人間にとって一番大切なことなのだ」というのも、
本能的にわかったのだと思います。


■『マネジメント』は哲学書である

ドラッカーの『マネジメント』は、経営書でもありますが
はっきり言って哲学書です。経営の本として小手先のノウハウは
書かれておらず、人生にも通じるような本質的、人間的なこと
ばかりがひたすら書かれています。

なので、すぐにお金持ちになりたいとか、ガンガン利益を上げる
経営者になりたいという人が読んでもまったくおもしろくない
でしょう。

しかし、ビジネスの本質に気づいていて、その本質を守ることが
何よりも利益につながるということを知っている大物経営者の
方々は、こぞってドラッカーを愛読するわけです。

(私はまだそのレベルではなくても愛読してますが。笑)


■真摯さとはなにか?

ここであらためてみなみが発した「真摯さって何だろう?」という
問いについて考えてみたいと思います。正解は「ない」というのが
正解でしょう。というのは、悪事を働いた人が後に人を感動させる
という例はたくさんあるからです。

「スラムダンク」で不良だった桜木花道や三井寿もそうですし、
世界史に残る名曲「アメイジング・グレイス」を書いたジョン・
ニュートンという人物も、奴隷船の船長でした。

彼らの人生はある時期までは真摯ではなかったのでしょうが、
だからこそずっと真摯に生きた人よりも人を感動させることが
できたし、大きな経済効果も生み出しているのです。

なので、真摯さの条件は私にもよくわかりません(笑)。
これはもう、みなみのように心で直感的に感じるしかないし、
それが正しいのだと思います。