「何のために」という動機は、精神論ではなく
心理学的にも重要と証明されていることです。

ここではその心理学の実験を紹介します。

心理学

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

■「動機の大切さ」が証明された実験

その実験では、被験者ががんばった後に「今日は
どれだけ頑張りましたか?」と聞きました。

そして「○○km走りました」とか「ドリルを
○○ページ解きました」と答えるのですが、
彼らは翌日どうしたと思いますか?

何と、大部分が「サボった」というのです。人に成果を
話した時、「あ、これ結構がんばったな。

明日は自分にご褒美をあげてもいいかな」と思い、
休んでしまったそうです。

一方、別の質問をしたら結果はまったく違いました。
それは「あなたは何のために頑張ったのですか?」
というものです。

この質問をされた被験者は、ほぼ全員、翌日もサボら
なかったそうです。むしろよりハードにがんばったそう
です。

この実験を聞いて、私が前々から思っていた「楽して
生きたいからお金持ちを目指す」がいかに間違っているかを
あらためて痛感しました。


■人を強くするはずの「動機語り」の度に、その人が弱くなる

上の実験で証明されたことは、人は「僕は○○のために
頑張っている」と人に語る時、そのモチベーションが
もっとも高まるということです。

それはなぜかというと、このような脳の使い方は
動物にはないからです。

動物は本能でしか動かないので、脳の前頭前皮質という
部分を使えません。

しかし、人間は高度な思考をするのでこの部分を
使うことができます。

前頭前皮質は、「理性的な行動」をする時にどんどん
強くなります。

なので、動物だったら絶対こんな行動はとらない、と
思うような理性的な行動を取る人、それを語る人は
どんどん前頭前皮質が強くなっていくのです。

この部分は脳でもっとも高性能な部分で、ここが
発達することによって、その人の能力はどんどん
上がっていきます。

つまり「きれいな動機」を語ることは、その人が
成功するために科学的に重要なことなのです。しかし
「楽して生きたいから」という人は、その貴重な
チャンスを毎回つぶしてしまうわけですね。

上の実験でいうなら、頑張った量を聞かれても翌日
サボる、理由を聞かれても翌日サボる、
ということになってしまいます。

なんだかんだいって、キレイ事は大事なのです。
こうやって科学的にどんどん証明されていくと、いつしか
キレイ事がキレイ事とバカにされない時が来るのでしょう。