プロ野球にはいわゆる『変なフォーム』がいろいろあります。
ここではそれらのフォームの選手から私が学んだことを書きます。

ガニ股

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

■種田選手のガニ股打法

まず「変なフォーム」と聞いて多くの人が連想するのは、
横浜にいた種田選手の「ガニ股打法」でしょう。

名前の通りガニ股でボールを待ち構えて打つ打法ですが、
言葉で説明するより、画像で見ていただいた方が早いです(笑)。

確実に「何だこれ」と思うフォームですが、
それでかなり活躍していました。

当時少年野球をやっていた人は、
真似した記憶がかなりあるのではないでしょうか。

忍者
■極めて合理的な「忍者打法」

種田選手のガニ股の場合、
種田選手はそれがやりやすかったというだけで、
誰にでもあっているとは限りません。
(というか、合っていないでしょう。笑)

しかし、私が見た中で
「これは野球全般でいいと言えるのではないか」
と思った打法があります。それが「忍者打法」です。

この打法は市川和正選手のものです。
横浜が大洋だった時代の選手です。

この打法のすごいところは、
「ボール球を空振りした時、それをごまかせる」ということです。

忍者
■変な持ち方をすることで、バットを振らなかったように見せる

野球を知っている人ならわかると思いますが、
打ちに行って途中で「ボール球だ」と気づいた時も、
バットはすぐに止まりません。

そして、一定の角度を過ぎてバットが回ると、
バットを止めても「空振りした」と判断されます。

忍者打法はこういう「振ってしまった」時に
ごまかすための打法なんですね。
(つまり、打法というより「演技」なのですが)

何をするのかというと、
ボール球と気づいて「やべ!」と思ったら、
何でもいいのですぐにバットで変なポーズを取るのです。

ポーズは毎回違います。
ネットで画像を検索してみると、かなり笑えます(笑)。

たとえば両手でバットを持ってバンザイしていたり、
「ふざけてるのか」とピッチャーから怒られそうな
格好をしています。

好プレー
当時の珍プレー好プレーでも常連となっていたプレーで、
ある芸能人は
「ポーズだけ見たら野球をやっているようにはとても見えない」
と評価していたそうです。

でも、そのような変なポーズにすると、
審判もそっちに気を取られて、
バットを振ったかどうか正確に見ることができないわけです。

で、振ったはずなのに振っていないことにできる、
ということが結構あったようです。

「結構」というのは結局その市川選手は
一軍での出場機会が少なかったので、
これが絶対に有効かどうかはわからないのですが、
でも、理にはかなっているのではないかと思います。

何より、この「打法」が引退からかなりの年数が経った今も、
私のような素人の目にまで届いているというのが、
「ショービジネスの鏡」だと言えます。

結果を残すのも大事ですが、
このようなユニークな選手がいるということも、
プロ野球では重要なことなのでしょう。