どんな人間でも、人から恩を受けたら返したい
という気持ちがあります。
ここでは私がそれを実感した、友人の話を紹介します。

ホームレス

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■ホームレスの人でも、恩返しをしようとする

友人はこの間、ビジネスで来ていた東京から
実家の愛知に戻ったのですが、その数日前の夜、
コンビニで買い物をした帰りにホームレスの男性と
すれ違ったそうです。

友人は1年間ここで生活していたので、
そのホームレスの男性も1年間見慣れた人だったそうです。

彼は道徳の時間とか眠っていたタイプの人間なので、
別にホームレスの方を見ても1年間
何とも思っていなかったのですが、この日は違ったそうです。

センチメンタル

「1年間、この人を見ていたなあ」と思ったら、
あと数日で東京が最後という
個人的なセンチメンタルさも加わって、
何となく切ない感情がこみ上げてきたそうです。

そして、たまたまその日、
お酒のおつまみをたくさん買い込んでいたということもあり、
一つくらいあげたいという気持ちが自然に湧いてきたそうです。


■そうしたら、ホームレスの人がお返ししようとした

そうして友人が柿ピーを渡した後、
ホームレスの方はお礼を言って離れたのですが、
数歩歩いた後、そのホームレスのおじさんが
振り返って声をかけてきたそうです。

友人は何かと思って振り返ったら、
「もしよかったら」と言って、
そのおじさんが持っていた自分の食べ物や飲み物を
出してきたそうなんですね。

ペットボトル
(買ったのかもらったのかはわかりませんが、
「普通の食べ物」だったそうです。
 飲み物の方はペットボトルに水を入れただけの
 ように見えたそうですが)

で、貴重な食べ物ということは知っているので、
友人はもらってはいけないというか、
そのおじさんに全部食べてもらった方がいいと思って
笑顔でお礼だけ言ったそうです。

ただ、その時「ホームレスになっても、意外と普通なんだな」
とよく考えれば当たり前のことを、あらためて思ったそうです。


■どんな人でも、人に何か与えたい気持ちは持っている

どんな人でも、やっぱり人からもらいっぱなしというのは
気が咎めるんですね。
誰でも人に何か与えたいと思っているので、
このおじさんもとっさに友人にお礼をしようと思ったわけです。

恩返し

これはビジネスの話に絡めると
「だからこそ返報性の原理は強い」などということに
なるのでしょうが、本当に大きな利益を狙うなら、
もっと違う見方をしたいものです。

それは「どんな風になっても、人間にはプライドがある」
ということです。それはいつか自分が失敗して立ち直る時にも
役立つ心ですし、人が立ち直るのを応援する時にも
役立つ心でしょう。

えてして、本当に大きなビジネスというのは、
そういう単純な人間の心から生まれるものです。

(友人がこのホームレスの方から学んだという話はまだあって、
 参考になるので続きも紹介します)