前回、友人がホームレスのおじさんに食べ物を渡した時の
エピソードをお話しました。
この記事では、その時友人が体験したことで、
もう一つ重要なことを書きます。

ホームレス

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

■ミラーリングの法則は、誰にでも通じる

ミラーリングの法則というのは、
人間は「必ず相手の真似をする」というものです。

たとえば話している時片方が腕組みをすると、
相手も無意識のうちに腕組みをします。

(しない場合は「してはいけない」と思っているから、
 ということが多いです)

ミラーリング
他にも、教室の中で一人がせきをすると、
全員がせきをします。

カフェで隣の人がソワソワしていると、
もう一人もソワソワします。

このように、ほとんどの人は
「ミラーリングの法則」で動いています。

これは別に悪い法則ではありません。

こうして相手と同じことをすると、相手のおかれている立場が
よくわかるということで、相手とコミュニケーションを
取るために、私たちは原始人の頃から無意識のうちに
これを身につけたのです。


■ホームレスのおじさんが見せたミラーリング

友人がおじさんに食べ物を渡した夜は、
とても寒かったそうです。
3月のはじめで、一日中雨だったので。

カロリー
なので、寒そうに歩いているおじさんを見て友人は
「カロリーを取って温まりたいだろう」と思ったんですね。

で、「もし嫌いじゃなければ」と言って
柿ピーを差し出した時
「寒いから、カロリー取って温まった方がいいと思うので」
と言おうとした時、友人はふと思ったそうです。

「このおじさんに『カロリーで温まる』
 という話が通じるだろうか?」と。

少し失礼ではありますが、おじさんというよりおじいさん
という感じだったし、そういう声のかけ方をすると
インテリの嫌味みたいに聞こえるかなと
思ったらしいんですね。

という計算をコンマ何秒単位でしつつ、
出てきた言葉は「寒いので、温かいものを」という言葉でした。

出したものは柿ピーで全然あたたかくなかったので、
渡して帰る時「わけのわからないことを言ってしまった…」
と若干反省しながら歩き始めたそうです。

温かいもの
そうしたらホームレスのおじさんが、
前回書いた通り友人を呼び止めて、
おじさんの持っている食べ物を「よかったら」
と言って差し出してきたそうです。

そして、その時おじさんも「よかったら、温かいものを」と
言って渡そうとしたそうなんですね。

おじさんがそういったのは意識したのではなく、
多分無意識なのですが、その時友人は
「人間はどんな状況になってもミラーリングの法則が生きる」
ということもあらためて感じたそうです。

(その瞬間、そんなことを考えたわけではないでしょうが、
 後から振り返って)

ラポール
結論からいうと「ミラーリングの法則は強い」と
いうことでもありますし、前回書いた通り

「ホームレスになっても、(当然のことながら)
 人間はすべて変わるわけではない」

とか色々なことが言えるのですが、
この話から何を感じていただくかは自由です。

実際、友人もそうやっていろいろ感じたけど、
この小さい出来事から自分が何を学ぶべきだったか、
よくはわかっていないそうです。
でも印象に残っているそうです。

誰でもそういう
「傍から見たら小さいけど、なぜか強烈に印象に残ったこと」
というのはあると思います。

その時感じたことをとりとめなくでもいいので書き綴っていくと、
いつか徒然草のような人生について考えさせられる何か、
も生まれるのかも知れません。

最後まで、読んでいただいて、ありがとうございます。