■人類が進化したのは、他の動物より劣るからである

アドラー心理学では「劣等感」を重視します。
これを「克服すべきもの」ではなく、
「人間が進化する上で欠かせないもの」と考えます。

その理由としてアドラーはこう述べています。

理由

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
⇒ この記事の音声を聞く

「人間が発展したのはチームを組むからだ」
「チームを組むのは、他の動物よりも弱いからだ」

…というものです。
確かに、一対一の肉体勝負では、原始人は
サーベルタイガーやマンモスにはかなわなかったでしょう。
しかし、チームを組むから勝つことができました。

「武器は?」と思われるでしょう。
もちろん武器も同じです。武器を開発した理由だって、
「武器なしでは動物に勝てない」からです。

武器にしてもチームにしても、人類が発展したのは、
「他の動物より弱かった」からです。

「他の動物より弱かったから、他の動物より強くなった」
のです。言葉遊びみたいですけどね(笑)。

言葉遊び
■ビジネスにもそのまま応用できるヒント

たとえば松下幸之助が成功した理由の一つに、
「すぐれた人材を多く集めた&育てた」というものがあります。

では、彼がなぜそれをできたのかと言ったら、
まさにこれは「劣等感」の賜物です。

松下幸之助は「小学校中退」であり、
しかも若い頃に肺尖カタル(当時はほぼ不治の病)
にかかったという、病弱な身でした。

「自分より賢い人間はいくらでもいる」と思ったから、
人の意見を素直に聴き続けたわけです。
そして「自分がいつ倒れるかわからない」と思ったから、
人を多く育て、人に仕事をまかせたわけです。

松下電器という、世界を代表する一大企業は、
このように「松下幸之助の弱みから生まれた」とも言えるのです。

弱み
もちろん、強みから生まれた部分も多々あります。
しかし、弱みも間違いなく、生きていたのです。
まるで太陽と月のように、松下幸之助の強みと弱みが、
支えあって松下電器を最強の企業にしたのです。

これはネットビジネスでも大きなヒントになるでしょう。


■アドラー心理学を学ぶと、劣等感はどこかに消え去る

アドラー心理学はなかば宗教のようなところもあるのですが、
これを学んで「劣等感があるからこそいい」と思うと、
「そもそも劣等感って何だったっけ?」という境地になります。

これはビジネスでもプラスになりますが、
何より人生全体を明るいものにする上で、
確実に効果があるでしょう。

私にもいろいろ劣等感がありますが、
だからこそ人と繋がれる部分があると、
今は思っています。