これは一見「ありきたりな言葉」に聞こえます。
しかし、中身を聞くと「なるほど」と思うでしょう。
ここで重要なのは「順序」です。

順序


■先に価格を決めて、それからコストを考える

たとえば「うどん屋」を経営するとします。
メニューを考えるわけですが、
その時「天ぷらうどん」だったら、
多くの人はこういう風に価格を決めます。

「まず、天ぷら8種類と大根おろしを入れよう。
 これらのコストの合計は700円だから、
 天ぷらうどんの値段は900円にしよう…」

…という風ですね。しかし、これは順序が逆なのです。
この場合900円のうどんなど、
よほど美味しくなければ今時誰も買ってはくれません。

味に自信があるならそれでもいいですが、
決めるべき順番は、

「誰に売るお店にしたいのか」
「そのためには、値段をいくらにすべきか」
「その値段に押さえるには、食材は何を使うか」

…という風なのです。

うどん屋

■効用→価格→コスト→実現への手立て

上の順番を単語だけで言うと「効用→価格→コスト」
となります。

これが『ブルー・オーシャン戦略』のいう
「正しい順序」なのです。

(先ほど「先に価格を決めて」と見出しに書いたのは、
 その方がわかりやすかったからです)

そして、このように逆算でコストまで決まったら、
あとは「それをどう実現するか」を考えるんですね。

つまり、「どうやったらこのコストで収まるか」
を考えるわけです。

コスト

■コストのハードルになっているものは何か?

ここまで来ると、もう「このコストを実現する」
ということに、課題が絞られているわけですね。

ということは、「コスト実現の壁」を突き止めて、
それさえ解決すれば、もうイノベーションが完成するのです。

たとえばユニクロの場合
「日本の工場の人件費」がその壁の一つでした。
なので、縫製工場を中国・アジアに移して成功しました。

「卸問屋の中間マージン」も、もちろんそうです。
これも「製造直売」というモデルで壁を消しました。

縫製工場

また「多様なデザインの服を売る」もコストの壁でした。
これも「シンプルで色違いの服だけ売る」
ことでクリアしています。

(ユニクロがブレイクしたきっかけは、
 今よりもさらにシンプルな品揃えで、
 「フリース」1種類に徹底してしぼったことでした)


ここまで書いたことは、ネットビジネスでもそのまま
応用できます。

「誰に売りたいか?」
「彼らはいくらなら買ってくれるか?」
「その値段にする場合、コストはいくらか?」
「そのコストをどう実現するか?」

をぜひ考えてください。