ブルー・オーシャン戦略を仕掛けるためには、
「戦略キャンバス」を描く必要があります。
これは簡単にいうと、
「自社の商品は、どの部分に力を入れているか」
「他社や業界全体は、どの部分に力を入れているか」
…を折れ線グラフにして比較するものです。
■グラフが業界他社と重なっていたら、ダメ
このグラフが業界全体やライバルと重なっている場合、
「みんなと同じことをしている」
「自分の商品に個性がない」という証拠です。
なので、重なっていたら問答無用でアウトです。
価格競争で勝てるならいいですが、
それは個人のネットビジネスではできないことです。
また、本当に価格競争をするなら、
たとえば登場した頃の100均ショップのように、
「価格」の部分の折れ線が、
他よりも異様に高ポイントになっているはずなのです。
…というように、ブルー・オーシャン戦略で成功する場合、
この戦略キャンバス(グラフ)が、
「必ず偏ったもの」になっている必要があります。
■何を選んで、何を捨てるのかはっきりさせる
このグラフが極端になるということは、
要するに「選ぶものと捨てるものをはっきりさせる」
ということ。
『ブルー・オーシャン戦略』では、
これでワイン業界に革命を起こした
「カセラ・ワインズ」の成功例が紹介されています。
■カセラ・ワインズの「イエローテイル」
イエローテイルは、簡単にいうと
「カクテルのように甘くてすっきりしたワイン」です。
これは登場からわずか2年で、
アメリカ国内で最も売れるワインになる、
という偉業を達成しました。
しかも値段は普通のハウスワインよりも「高かった」のです。
高いのに大量に売れたわけですね。
(売上ではなく、本数でトップに立ったのです)
■イエローテイルが選んだものと、捨てたもの
イエローテイルは、
ワインに絶対必要と言われていた(今でも言われている)
「熟成」を捨てました。
熟成は、場所・時間・管理するスタッフと、
膨大なコストがかかります。
「このせいで、ワインがムダに高価になっている」
とカセラ・ワインズは気づいたわけです。
もちろん、それを顧客が求めているならいいです。
しかし、よく顧客の好みを調査した結果、
一部の玄人以外は「深みのあるワイン」など
求めていない、ということがわかったんですね。
カクテルのようにすっきり飲める、
甘口のワインの方がみんな欲しかったのです。
でも、そんなワインはなかったので、
そういう層は「ワインの顧客層にアンケート」しても、
まずその調査対象にならなかったんですね。
(ワインと関わらない人生を送っていたので)
カセラ・ワインズは、それに気づき、
戦略キャンバスを大胆に塗り替え、成功したわけです。