ブルー・オーシャン戦略を一言でいうと、
「まったく新しい、競争のないジャンルを生み出して勝つ」
ということです。

ネットビジネスでもよく使われる単語ですが、
ネットビジネスの場合どことなく、
「まだ誰も気づいていない裏ワザで稼ごう」
的なニュアンスを含むことが多いです。

裏ワザ

■本物のブルー・オーシャン戦略は全く違う

しかし、ブルー・オーシャン戦略はもっと大胆なもので、
「業界のあり方すら変えてしまおう」とか、
「世の中の常識すら変えよう」というレベルの戦略です。

典型的なのはジョブズのiPhoneとiPadですが、
他にもたくさんの実例があります。

『ブルー・オーシャン戦略』の中では、
サーカスの歴史に革命を起こした
「シルク・ドゥ・ソレイユ」の成功例が書かれています。


■サーカスの常識を覆したシルク・ドゥ・ソレイユ

シルク・ドゥ・ソレイユは、
それまでサーカス業界の頂点にいたグループ
(リングリング・ブラザーズなど)が、
100年かけて達成した売上を、わずか20年で達成しました。

しかも、100年前と違って、
サーカスから急速に人々が離れ、
「完全に斜陽産業になった」状態での数字です。

斜陽産業

誰もが「サーカスはこのまま消えていく商売だ」と思った時、
逆に全盛期の5倍の人気に、
高めてしまったわけです(業界全体を)。

シルク・ドゥ・ソレイユは、
なぜこんな偉業を達成できたのでしょうか。


■既存のサーカスの「完全な逆」を行った

シルク・ドゥ・ソレイユは、
既存のサーカスの特徴を、次々に「真逆に」していきました。
たとえば、

・安いチケット→高級チケット
「貧乏人の集まる催し物」ではなく、
ディナーショーのように高級なパフォーマンスにする。


・複数のパフォーマンスを同時に見せる→一度に一つだけ
それまでのサーカスは、舞台の上で、
いくつものパフォーマンスをてんでバラバラにやっていました。

バラバラ

これではお客さんの気が散るし、
パフォーマーの人数も増えて高コストになる、
とシルク・ドゥ・ソレイユは判断し、
「一度の一つのパフォーマンスしかしない」方針にしました。


…他にも多くの部分で「これまでの逆」を実践したのですが、
もちろん奇をてらったわけではありません。

「お客さんにとって本当にいいショーは何か」
を考えていたら、自然と真逆になっていった、
ということです。

逆に言えば
「真逆にするだけで、イノベーションになることが多い」
とも言えます。

ネットビジネスで「他の人に真似できないような成功をしたい」
と思うなら、多くの人がやっているビジネスの特徴を書き出し、
「全部逆にしてみる」だけでも、
新しい手法のカギが見つかるかも知れません。