コミットメントの意味はいろいろありますが、
ここでは「公約」「決定」のことです。
「コミットメントと一貫性」の法則は、
「人間は、一度決めたやり方、慣れたやり方にこだわる」
というものです。
■なぜ一貫性にこだわるのか?
理由は主に2つあります。
1.その方が信頼される
2.考えなくていいから楽である
…というものです。
1.については、言うことややることがコロコロ変わる人は、
確かにあまり信用されないでしょう。
本当は「間違いだと気づいたらすぐに直す」
方が正しいですし、
「このビジネスは失敗だ」と気づいたら、
すぐに撤退する方が正しいです。
しかし、その正しさを理解せず「なんだ、もう変わったのか」
「もう閉店したのか」と、それだけで悪い評価をする人は
たくさんいます。
そうした「人の目」を気にするため、
人は「一貫性」にこだわってしまうんですね。
■人間は思考停止が好きである
2.の「考えなくていい」は、
最近流行りの言葉でいうと「思考停止」です。
「考えるのが面倒くさい」ということですね。
心理学的に、人間は
「3週間続けた行動は、そのまま習慣になる」
ということがわかっています。
これは、いい習慣でも悪い習慣でも同じです。
「一度続けるようになったこと」は変えにくいのです。
まして、長年続けてきたことは、
もうその人の人生の一部になっているため、
そうそう簡単には変わらないんですね。
■これをどうセールスに応用するのか?
たとえば携帯電話などで、
「長年契約を続けているお客さんを優遇する」
などの仕組みです。
こうすることで、1.については
「ああ、やっぱり続けていると信用されるんだ。
今後も続けよう」と、
その会社と契約し続けることを、
気持ちいいと思ってもらえます。
2.については、もともとこのように人間は
「面倒くさがり」なので、
「考えなおさなくていい」口実をいつも探しています。
なので、その口実を与えてあげるわけです。
「長く続けてるとどんどん得になるし、
変えなくてもいいや」と。
こうやって私たちは「もっといい方法があるかも」
という点検を怠り、
一つの契約をズルズル続けてしまうのです。
(もちろん、それで実際に得することもあるので、
長期契約が悪いというわけではありません。
「何の疑いも持たない」ということが悪い、
ということです)
たとえばネットビジネスの場合も、
アフィリエイトの手法などで、
とりあえず簡単なものに3週間取り組んでもらい、
「習慣として快適に感じていただく」などの方法があります。
習慣になれば努力するのも楽になるし、
これはその方にとってもいいことです。
こういう風に、この法則はあくまで
「お客さんにとってもいいこと」として、活用したいですね。