「社会的証明の原理」は、簡単にいうと
「人間は、他人が正しいというものを信じる」という原理です。

この「他人」の人数が増えて
「世間」とか「社会」になると、さらに強力になります。

以下、『影響力の武器』で紹介されていて、
私たちの身の回りでもよく見る実例を紹介します。

社会的証明

■実例(1)「募金箱にあらかじめお金を入れておく」

これは、募金をしたことがない人でも、
何となく察しがつくかと思います。

コンビニなどの募金箱でも、
大道芸をやっている人の投げ銭入れでも、
大抵あらかじめ、「いくらかのお金」が入っています。

特に大道芸の場合、ある程度お金が入っていると、
それなりにレベルが高い人なのかも知れない、
という気がするので、
何もないよりお金を入れる気になります。

特に大きな募金箱の場合は
「わざと1000円札を入れる」というのも
よく使われる技術です。

そうすると「100円入れるだけなら安いもんか」
と、多くの人が思いやすくなるからです。

ちなみに、この方法はバーテンダーのチップ集め、
キリスト教の教会の受付の募金箱など、
あらゆる場所で使われています。

募金箱

■実例(2)「わざと入場制限し、お店の前に行列を作る」

「行列のできる~」というタイトルが
あちこちで見られるくらい
「行列=人気」という発想は定着しています。

だったら「人工的に行列を作れば、人気をアピールできる」
ということですね。

たとえばナイトクラブでは、
お客さんが沢山入れるのにわざと入場制限し、
外に多く並んでもらうようにします。

他にも、CDがよく売れていた頃の日本では、
その歌手の人気ぶりをアピールするために、
わざとCDの製造と出荷を少しずつに絞って、
店頭での品薄を加速させる、という方法も使っていました。

(今はまったく使えない方法ですが)

行列

■実例(3)「○○万部突破!」「できる人は始めてる!」

これも「ああ」と思う方が多いでしょう。
こういうのがマーケティングの手法であることは、
小学生でも気づく場合は気づくと思います。

なので、手法としては真新しいものではないですが、
そこに「社会的証明」という心理や法則があることを知ると、
また違った視点で再確認できるでしょう。

(そういう裏付けがあったんだな、と)

特に日本人は「みんなやっている」という理由で、
行動を選ぶ癖があるので、
『影響力の武器』のパターンの中でも、
この社会的証明はぜひ有効に活用したいものです。

ネットビジネスでどんな風に取り入れられているか、
観察してみるのも面白いですよ(笑)。

(すぐ気づくものが多いので、
 あえてここでは答えは書かないようにしました)