「権威づけ」は、ネットビジネスの世界でも日常生活でも、
いたる所で「もう見飽きた」というくらい見られるものです。

まずは『影響力の武器』で
紹介されている実験結果から書きます。

権威


■実験「同じ人物を、5種類の肩書で紹介してみた」

ケンブリッジ大学で行われた実験で、
「一人の人を、別々の教室で5種類の肩書で紹介した」
というものがあります。
学生、実験助手、講師、准教授、教授…の5種類です。

そして、面白いことにこのランクが上がるごとに、
紹介されたその人の身長が
「1.5センチずつ高く見えた」そうです。
(紹介を聞いていたクラスの学生たちにとって)

人が成長した時、
よく「○○君が大きく見える」などと言いますが、
あれは本当なんですね。

「この人はすごい人だ」と思っていると、
体格まで立派に見えるということです。

逆にいうと、体格が立派だと、
それだけすごい人と見てもらえる、
ということも言えます。

ブーツで底上げしたり、
肩ががっちりとして見えるスーツを着たりする、
というのは、ただのオシャレじゃない意味があるんですね。

身長

■調査「アメリカの病院の誤診率」

『影響力の武器』によれば、
権威づけが最も起こりやすい業界は、
「医療業界」だそうです。

これは納得が行きますね。
難しいジャンルだから素人にはわからないですし、
物理や宇宙などと違って、
私たちの体に直接影響するものです。

つまり
「先生のいう通りに薬を飲まないと死ぬかも知れない」
という世界なので、自ずと患者さんは、
医者に対して「服従」せざるを得ないのです。

同じように、看護師などのスタッフさん達も、
医師の指示に逆らったら
「患者を殺してしまうかも知れない」リスクがあります。
なので、ここでもやはり「服従」が生まれやすいんですね。

医者

こうして医療業界全体が「権威と服従」の体質になり、
「上の人が言ったことには逆らわない」
という雰囲気ができるのです。

結果、誤診は当たり前のように起こっていて、
アメリカの平均的な病院の誤診率は、
何と12パーセントもあるそうです。

つまり、今までに8回病院に行っていたら、
そのうちの1回は誤診で「ムダな治療」や
「ムダな投薬」をされていた、
ということです(アメリカ人なら)。


…というように、私たちは権威のある人や組織に対しては、
無条件で盲信してしまいます。
その方が安全で楽だからです。

ネットビジネスで何か商品や塾などを売りたい場合にも、
こういう「○○さんも言っている」
「○○の団体も認定」のようなフレーズは効果的です。

定番の煽り文句と誰もがわかっていても、
やはり効果を発揮するわけですね。