齋藤孝氏は「3色ボールペン活用術」などで有名な、
「脳の活性化全般」で評価されている方です。
有名なので、知っている方は多いでしょう。

その齋藤先生が語る速読なので、
「速読の専門家」とはかなり異なる、
「速読に興味がない人にも向いている」内容です。

以下『齋藤孝の速読塾』のまとめと要約です。

齋藤孝


■少数の本を精読するより、とにかく多数の本を読む

これはなぜかというと、
「たくさん読むと、その分野の全体像が見える」
からです。

「それって速読なのか?」と思う方も多いでしょう。
事実、この本についてそういう批判をされている方は多いです。

しかし、これは速読の本質を突いている、と私は思います。


■理解している部分は、読む必要がない

当然ですが、一つのジャンルで多数の本を読んでいると
「もう知っている部分」が増えてきます。

そのため、同ジャンルの本では、
「読む必要がない部分」が多くなるわけです。

ということは、「ほとんど飛ばし読みできる」ので、
自然と読書速度も上がるわけですね。


■速読には2つの要素がある

実は速読には大別して2つの要素があります。
「物理的」なノウハウと、「本質的」なノウハウです。

・物理的なノウハウ
これは「眼球の移動速度を上げる」とか、
「高速再生した音声を聞きながら読む」
「呼吸を整え、集中力を高める」などのものです。

(呼吸を整えることについては、
 この齋藤先生の本でも書かれています)


・本質的なノウハウ
これは上にも書いたような、
「すでに知っている内容を増やす」
「読んだ後、すぐに書評を人に言えるような、
 理解力、説明力をアップさせる」
というようなものです。

そして、この本ではこの「本質的なノウハウ」の方が、
断然重視されています。

それは下のような理由からです。


■読書は「理解」や「発信」にこそ意味がある

当然ですが、速読をしても
「ただ活字を言語野に詰め込んだだけ」では、
何の意味もないのです。

その内容を「深く理解」し、
「人に発信」したりして、初めて意味があるんですね。

書評の発信はしなくてもいいですが、
読んだ内容を仕事に役立てるなど、
「何らかのアウトプット」は確実に必要です。

つまり、結局のところ、読書の目的を考えると、
速読はこういう「本質的なノウハウ」の方が重要なわけです。

実際「速読をマスターすると成功する」と言われますが、
本当の成功者である松下幸之助とか本田宗一郎などは、
別に速読など学んでいなかったですからね。

齋藤先生の速読本は、そういう本質的な部分をついているので、
「速読なんて興味がない」という方にもおすすめです。