「人は見た目が9割」というベストセラーのヒットは
だいぶ前ですが、今でもこのタイトルのインパクトは
生きています。元が本のタイトルだったことを知らずに
この言葉を使っているという人も多いでしょう。

ここではこの言葉の本当の意味を考えてみます。

見た目

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■見た目が重要という意味ではない

実はこの言葉の本当の意味は「見た目が重要」ということ
ではないのです。そうではなく、「他人の目をどれだけ
意識しているかが重要」ということです。

なんでかというと、他人の目を意識するということは、
ビジネスでいうなら顧客の視点を理解する、
ということにつながるからです。

若い頃は私も、他人に評価されるために生きている
わけではない、などと言っていたことがありました。

今でもそういう気持ちになることはありますし、そういう
生きかたを最後まで貫いた人々は尊敬します。
たとえば尾崎豊や石川啄木のような人々ですね。

でも、そういう生きかたは一部の天才しかできないのです。
しかも、実行した彼らはのきなみ早死にしてしまっています。
日本だけでなく、海外でいえばゴッホやニーチェなども
同じですね。


■他人の気持ちを考えることは悪いことではない

見た目がしっかりしているというのは、ファッションでも
お店のサイトのデザインでも、「他人の気持ちをしっかり
考えている」ということです。

「人は見た目が9割」というのはそれが大事ということであり、
「着飾れ」という意味ではないのです。

「おしゃれでも他人の気持ちがわからない人はいる」と
思われるかも知れません。これは確かにそうです。

ただ、彼ら(彼女ら)は、その人の「メインの顧客」の
気持ちはしっかり理解しているんですね。

つまり、その人に対して「かわいいこと」「カッコいいこと」
だけを求めている異性などです。彼ら(顧客)の気持ちだけは
少なくとも理解できているということです。

会社というのは基本的に自分の顧客のことしか考えることは
できないですし、それ以外の顧客を考える必要はありません
(マクドナルドは、富裕層を相手にしたビジネスは
できないわけです)。

なので、特定の顧客の気持ちしか考えていないという点では、
「見た目だけの人」も「マクドナルド」も本質的には
同じなのです。

なので、「人としてどうか」ということを考えたら、
見た目だけの人は問題がありますが、とりあえずビジネスの
本質(最低限の本質)は満たしているのです。

というのが、あのタイトルの本当の意味(の私なりの解釈)
です。ビジネスをする上ではぜひ心がけていただきたいもの
です。