私が最近心がけ始めた哲学の一つに「仕事は瞬殺する」と
いうものがあります。

瞬殺というと少し物騒な表現かもしれませんが、
イメージに一番近い言葉なのでこれを使っています。

仕事を瞬殺することが大切なのは、孫子の兵法でも
言われていることです。

瞬殺

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■兵は神速を尊ぶ

孫子の兵法の中の「兵は神速を尊ぶという言葉は聞いたことが
ある人が多いでしょう。本当は「神速」ではなく「拙速」だったの
ですが、拙速だと日本語だと悪いイメージ(早いけど雑という
イメージ)があるので、日本では神速ということになっています。

この言葉には続きがあって「これまで長期戦になって成功した例は
ない」という内容が続きます。つまり、一連の内容は

「戦争はスピードが命だ。長引いて成功した例は一つもない」と
いうものです。

これは私たちのビジネスの世界でも言えることでしょう。


■成功者は、始めるのも終わらせるのも早い

私は今まで何人もの成功者の方々を見てきました。直接会った方も
いれば、インタビューなどを読んで知ったということもありますが、
彼らに共通しているのは、「始めるのも終わらせるのも早い」と
いうことです。

一般人が「そのうちこういうことをやろう」と妄想している間に、
成功者は思いついた瞬間にもう携帯電話をとって誰かに電話したり、
あるいはネットを開いて、真っ先に見つかった役立つだろう商品を、
さっさとクレジットカードで買ってしまったりします

(もちろん、もっと探した方が「いい買い物」はできるかも
知れません。しかし、彼らにとってはそういう「完璧な買い物」
よりも「時間」の方が大事なのです。
彼らはここで時間や決断力を買っているんです)

このように彼らは何でもすぐに始めてしまいますし、自分や関係者の
気持ちが冷めていない熱いうちに、あるレベルまで一気に到達して
しまいます。(そこまで行けば、あとは安定して続いていくからです。

「終わらせるのが早い」というのは、この第一段階を終わらせるのが
早いということです。

あるいは問題が生じた時に、解決するのが早いということです。
すぐに飽きて辞める、という意味ではありません)


■仕事を瞬殺するには何が必要か

これは完璧を求めないことでしょう。完璧を求め始めるとキリが
ないものです。最終的には世界史に名を残した哲学者たちのように、
発狂したり自殺したりしてしまいます

(極端な例と思われるかも知れませんが、完璧を本当に求めると、
そういう風になるのです。上に行けば行くほど、自分に足りないもの
ばかりが見えてしまうものなのです)

人に頼まれた仕事で、できるだけクオリティが高いものを届けたいと
いう気持ちはいいものです。それはよくわかります。

ただ、それで仕事が長引いて疲労して、結局その仕事を長く続け
られなくなったり、あるいは締め切りに遅れるというようなことが
あっては、トータルではマイナスになることもあります。

仕事を瞬殺するというのは決して手抜きではなく、この「トータル
でのプラス」を相手に届けるということなのです。

その意識を持てば、瞬殺することについて罪悪感を持つどころか、
むしろいいことをしているというのがわかり、関わる相手の方々にも、
仕事を瞬殺する習慣を伝染させることができるでしょう。