作業環境をどんどん快適にするということは、仕事を楽しく
する上でとても重要なことです。たとえばパソコン作業の
場合は、自分でキーボードをカスタマイズする、という工夫が
あげられます。
ここではそれをやっている友人の例を紹介します。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■ホームポジションの近くにすべてのキーを移動させる
タイピングをするためのホームポジションというものは
皆さんも知っているでしょう。
私の友人はタイピングの達人ですが、彼は「このポジションから
極力指を動かさなければ、タイピングはさらに速くなる」と
いうことを発見したそうです。
具体的にいうと、以下のようなものです。
・最上段のキー(数字などのキー)を叩かない
・Ctrlキーなどの端っこのキーを叩かない
などです。Ctrlキーなどは、最初の設定のままだったら、
どうしても小指を伸ばして叩かなければいけません。
そのためポジションが崩れてしまい、一瞬タイピング速度が
落ちるのです。
そこで彼はどうしたかというと、このキーを移動させ、
スペースキーの隣に持ってきたんですね。普通だったら
「無変換」などのキーがある場所です。
ここだったら左手の親指を軽く動かすだけでいいので、
タイピングをしている他の指はほとんど動かなくていいのです。
彼はこの「親指の届く範囲」に、その他のキーもいくつか
移動させ、ほとんどの作業をホームポジションから移動せずに
できるようにしたそうです。
■数字の入力も、全部文字でする
彼は数字の入力もすべて文字を使ってやります。たとえば
「3」だったら「ささん」と打てば出るようになっています。
二桁の数字まではすべてこうやって出るようになっているので、
「2012」などの数字もそれを組み合わせて、数字キーを一切
使わずに入力できるんですね。
このやり方についてはタイピングマニアの間でもいろいろ
流儀があるでしょう。記憶力に自信はないけど指の動きには
自信があるという人の場合、数字キーに指を伸ばした方が
楽だと思います。
彼も指の運動神経はいいのですが、数字でポジションが
崩れない快適さを再重視して、こういうスタイルにして
いるんですね。
このように、タイピングをするという作業一つとっても、
快適さをどこまでも追求することはできるのです。
私から見てもややマニアックな話ですが(笑)、ここまで来ると、
もはやその追求の過程自体が楽しくなって、仕事の苦痛など
いっさいなくなってしまうでしょう。
仕事のモチベーションが上がらないと嘆いている人は、
このように徹底して作業環境を研究してみるというのも
おすすめです。
[…] 哲学者のカントの名前は、哲学に興味がない人でも聞いたことが あるでしょう。 ここではカントの哲学からビジネスのヒントを考えてみます。 ■自由とは、外部から与えられるものではない カントは自由について多く論じた人です。カントの論じた 自由を私なりの言葉で説明すると、 「自由というのは、外部から与えられるものではない。 どんな状況でも受け入れる自分になった時、それを 自由というのだ」 というものです。少しややこしいかも知れませんが、 ネットビジネスでありがちな具体的な例を示して 解説しましょう。 ■「ノマドになったら自由」ではない ネットビジネスをやる人たちは、私もそうですがノマドが 多いですし「ノマドになりたい」と思ってこの世界に入る人も たくさんいます。 それはいいのですが、「ノマドになったら自由だ」と 思っているうちは、カントの定義では自由ではないのです。 カントの考えでは「ノマドだろうとそうでなかろうと、 自分にプライドを持てる人間が自由だ」というわけです。 つまり、ノマドでない多少制約のある仕事だったとしても、 その制約の中に自由を見出したり、その仕事に対して プライドを持って取り組んでいる人こそが自由だ、ということを カントは言ったわけですね。 これはたとえば老子の言葉であれば「足るを知る」ということに なります。「満足することを覚えろ」というものですね。 こういうと「恵まれてない奴隷みたいな環境にも甘んじろと いうことか」と思われるかも知れませんが、そうではありません。 そこから抜けだそうとするのはいいのですが、その抜けだそうと している状態の自分にもプライドを持つ、その時間も楽しむと いうことです。 つまり「プロセスを楽しむ」と言ってもいいかも知れません。 「プロセスを楽しむ」というと、最近の自己啓発などで 生まれた言葉のようですが、内容自体は老子やカントなどが 何千年もかけて説いてきたこととまったく同じなんですね。 カントが説いたこういう「本当の自由」というのは、 ネットビジネスをやっていても最後に目指すべきものだと思います。 やはり、外部にある自由を求めている限り、一つ手に入れても また次のものが欲しくなるだけで、永遠に満足することは ないわけですから。 前の記事に戻る次の記事を見る […]