最近、
「これから音声入力がどんどん進化すると思いますが、
タイピングの練習は無駄ですか?」という質問を
いただきました。
私はタイピングの専門家でもないですし、音声入力についても
詳しく知りませんが、両方精通している友人がいうには、
「現時点でブラインドタッチがほぼできる人なら、これから
先の時代もタイピングの方が速い」とのことです。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■音声入力がタイピングに追いついても超えるのは無理
音声入力は、確かに基本的な言葉であればタイピングよりも
早く打てます。アミボイスというソフトの場合、最大1分で
300文字打てるそうです。
しかし、これは基本的な言葉に限定されています。マニアックな
単語が入ったり、文字を使って微妙な表現をしようとしたりすると、
音声入力では無理なんですね。
微妙な表現というのは、たとえば女の子がよくやる、
「あいぅぇお」のような、小文字の入る文章です
(リアルな例がすぐに思い浮かばなかったので、
とりあえずこうしました。笑)
こういう変な例でなくても小説家やエッセイストが使うような
微妙な表現「だが…しかし!」のような微妙な表現は、
やはり音声入力では難しいと思うんですね。
やろうと思えばできるでしょうが、どうやっても手打ちの方が
早いはずです。マニアックな単語も同じですね。
なので、音声入力がタイピングに追いつくことはあっても、
超えるのは無理、というわけです。
■永遠にそれぞれ一長一短がある
「普通の言葉→音声入力が早い」「高度な言葉→手書きが早い」
というのは代表的な一長一短ですが。その他の場合、「手が
使えない状況&障害があっても使える」という点で、音声入力が
有利です。
特に障害者の方が高速で入力をできるというのは大きな
社会的意義があります。
他にもテープ起こしを音声入力でやったら、人を雇わなくても
ワンタッチでできてしまいます。これも大きな強みですね。
逆に手書きがいいのは「喫茶店でも仕事ができる」ということです。
カフェで仕事をする人は多いでしょうが、これを音声入力で
やっていたら不思議な人になってしまいますよね(笑)。
オフィスでもやはり同じでしょう。人がいる場所で仕事を
するには、やはり手書きがいいのです。
■追いつくとしても10年以上後
音声入力はいきなり使えるのではなく、「自分の声を覚えさせる」
という作業をする必要があります。
アミボイスの場合はRPGのように「レベル」があって、経験値の
ように自分のボイスを蓄積していくと、それで徐々に学習して
くれるのです(本当にRPGそのものです)。
なので、上に書いた「最大300文字」というのは、このレベルが
マックスにならないとダメなんですね(しかも一般的な文章限定)。
アミボイスを鍛えてみた友人は「これは気が遠くなる」と
思ったそうです。途中で時間の無駄だと思いやめたそうですが、
ある程度タイピングの早い人間からすると「自分の場合は
10年かかっても、手書きの方が早い」と思うそうです。
大抵の人はそう言います。
大量の文章入力を必要とする人たちは、すでにみんなタイピングが
早いですから、こういう理由で音声入力ソフトには
手を出さないのです。
ということは進化のスピードもゆっくりになるので
「超えるとしても十年後」というわけです。
というように、音声入力とタイピングのどちらが上ということは
簡単には断言できないのですが、現時点でブラインドタッチが
できる程度のレベルであれば、タイピングをそのまま磨いた方が
いい、ということです。