「自分を追い込む」ということはモチベーションを
高める上で効果があると言われていますが、実は逆効果と
なることが多くあります。理由を説明します。

追い込む

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■人間の脳は、ストレスを感じると原始人モードになる

人間がストレスを感じる原因には、短期的なものもあれば
長期的なものもあります。短期的というのは「今、お腹が
減っている」とか「虫歯が痛い」とかですね。

長期的なものは「5年後の自分はどうなっているんだろう」と
いうような漠然とした不安です。

長期的な方の悩みは、もともと原始人にはありませんでした
(動物のようなものだから、当然ですよね)。

原始人にとってストレスというのは「ケガをして苦しい」とか
「やばい!サーベルタイガーが追ってきた!」というような
「今この瞬間」の悩みだけだったのです。

私たちの脳は、その原始人の頃の風習がまだ残っています。
なので、ストレスを感じた瞬間、それが長期的な悩みで
あっても、脳は勘違いするんですね。

「今この瞬間、この敵(ストレス)を殺さなくては!」と
思うのです。

で、「すぐに気持ちよくなるため」に、一番簡単なことに
走ってしまうんですね。

お酒やタバコ、ギャンブル、アダルトサイトを見るなど
「すぐに気持ちよくなること」です。

もちろん、ギターが大好きな人ならそれがギターだったりと、
健康的な方に行くこともあります。

ただ、ほとんどの人の場合「すぐに気持ちよくなろう」と
考えると、大抵マイナスなことをしてしまうんですね。
(私も身に覚えがありますが。笑)

なので、とにかくストレスを感じてはダメなのです。

ストレスを感じたらどんなに真面目な人でも、脳が
原始人モードになり、手近な満足だけを求めて、
そのストレスを消そうとするのです。


■じゃあ、どうすればいいのか?

なので昔から多くの人々が「なるようになるさ」と
言ってきたわけです。まずは絶対ストレスを感じるな、
冷静になれ。どんな問題も大したことはない。

と自分に言い聞かせて、昔から人々は「まず、脳の状態を
正常に保つ」ことを意識したのです。

現代人モード(大脳新皮質を使う)になるようにしたんですね。

中国なら「無為自然」、スペイン語圏なら
「ケ・セ・ラ・セラ」、英語なら「明日は明日の風が吹く」と、
類義語は本当にたくさんあります。

これらはただの精神論ではなく、科学的な意味があったんですね。