「離れて考える」というのは合理的な思考をするために
欠かせないことだと言えます。

たとえば「何を」離れて考えるといいのか、それぞれの
ケースごとに説明します。

離れて

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■「現在」を離れて考える

「現在」を離れるというのは、いわゆる「逆算思考」の
ことです。逆算で考える人は「今の自分」を離れて「まず、
最終的にどうなりたいのか」というゴールから考えます。

一方、これができない人は「スタート」から考えてしまうのです。

「今日はこれをやらないといけない。だからやろう。明日は
あれだ。で、その後は…」ということを繰り返して、
常に「今日」の世界で生きているため、いつまでたっても
長期的な計画で行動するということができないんですね。

もちろん、動物というのは本来そういうものですし、
人生のすべてが思い通りに行くということはありません
(東日本大震災で人生の計画が変わってしまったという人は
たくさんいるでしょう)。

だから、必ずしもこの「今の自分から考える」ということが
悪いわけではないのですが、それでもビジネスで
成功する人には「逆算思考」が多いのは事実です。

なので、まず「今」でなく「ゴール」から考える習慣を、
私も持ちたいと思っています。


■「自分」を離れる

これは何となくわかるのではないかと思います。つまり
「相手の立場にたって考える」ということです。これは
間違っても「おもいやりが大切」などという生ぬるい話では
ありません

(否定はしませんが、ビジネスをする人がそんな幼稚園児の
ような発想でこの言葉を捉えてはいけません)。

この言葉の意味は、「顧客は何を欲しているか」「競合は
何を恐れているか」「社会に今不足いているものは何か」と
いうことです。

「自分が何をしたいか」ということを捨てて、このように
「顧客、競合、社会」という視点から自分のやるべきことを
考える。これが「自分を離れる」ということです。

この考え方は、最終的に人を優しくします。相手のためでなく
自分のために相手のことを考え、社会のことを考えるからです。

人間、自分の利益になる方が全力を出しやすいものです。

たまに例外もありますが、それはあくまで「たまに」であり、
365日のうち300日くらいは、自分のことを考えて行動している
はずです。

だったら、「他人のために自分を犠牲にする」という生きかた
ではなく「自分の利益と他人の利益を一致させる」という
生き方の方がよほど合理的であり、確実に人の役に
立てる方法なんですね。

それによって立てた誓いを確実に実行に移す人の方が、わたしは
よほど優しくて誠実な人だと思います。

他にも「離れて考える」という種類はたくさんあるのですが、
一番重要な2つを紹介しました。

ぜひ参考にしてみてください。