前回、ある資格ビジネスを手がける方の話と合わせて、
「日本の資格がどんどん無意味化している」ということを
お話ししました。
そして、日本人もそれに気づいている中で、資格ビジネスを
手がける人々がどう対策を立てているのか、それをお話しします。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■「仕事で使えなくても、プライベートで使える」をアピール
弁護士にしても会計士にしても「仕事で使えない資格」と
なっているのが最大の問題なわけです。
これまでは「この資格さえあれば仕事が見つかる」と
言われていたものが、もう仕事で役立たないように
なっているんですね。
(この二大資格ですらそうなので、もうほとんど全ての
資格がそうなのです)
となると「仕事で役立ちます」というのはもはや資格ビジネスの
アピール文句としては通じないわけです。
まだ現実を知らない人々には通じますが、それは資格ビジネスを
手がける方々からすると「情報弱者」であり、いつまでも
そんな「無知」に頼っていてはいけないそうです。
となると「仕事で役立つ」以外のアピールを考える必要が
あるんですね。
それで「プライベートでも使える」ということを最近は
売りにしているそうです。
■介護系の資格は、プライベートでも使えるから人気
たとえば根強い人気を誇るホームヘルパーなどの資格。これが
今でも人気なのは「就職につながらなくても、自分の親の
介護で役立つ」という意識があるからだそうです。
このように一種の『保険』が人々の間にかかっていると、
その資格はビジネスとしてまだまだ成立するということです。
なので、これまで「キャリアアップ」を訴えてきた
資格ビジネスの会社はこぞって方向転換し、「いかに
プライベートを盛り上げるか」という観点から、
その魅力を伝えるようにしているそうです。
こういう観点だと、まだまだ資格の需要は多いそうです。
それにしても、私たちが高校時代や大学時代、もっと言うなら
就職した後も「キャリアアップにつながる」と信じて
勉強し続けた資格は、一体何だったのだろうと思ってしまいます。
もちろん、頭の訓練にはなったでしょうし、問題解決力も
身についてはいますが、やはり「正しい努力」をしなくては
いけないのだとあらためて痛感しました。