「一番仲の良い人5人の年収を平均すると、その人の年収が
出る」という話はビジネスではよく聞きます。

実はこれには科学的な根拠があるんですね。それを説明します。

感染

音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■アメリカの空軍士官学校での実験

アメリカの空軍士官学校に、ある日一人の不健康な若者が
入隊しました。とある心理学のチームはこの若者と
その周囲を追跡調査し、彼が入隊した後周りの雰囲気が
どうなったかを調べてまとめました。

その結果は、入隊時点では誰よりも健康な習慣を
持っていたはずの士官学校の生徒たちが、この不健康な若者に
引きずられるようにして、みんな不健康になってしまった
というのです。

具体的には、健康診断の平均値が軒並み落ちて、体力テストの
結果も下がってしまったのです。

アメリカ空軍といったら、最悪の事態では世界の歴史さえ
左右することがあります。

そのような厳しい場所に集まった人たちなので、相当な精神力を
持っていたはずです。それでも、一番不健康な人に合わせて、
なぜか習慣が悪化してしまったのです。


■人間は周囲に染まる。そして、悪い方に染まりやすい

人間がこのように周囲の行動に染まる理由は、
ミラーニューロンなどの構造によって解明されているのですが、
その中でも特に「悪い行動」ほど染まりやすいことも
観察されています。

悪い行動に染まりやすい理由は「そうなっても死なない」
からです。

そうなったら死ぬというなら、生物の生存本能によって、
それは絶対に避けるでしょう。しかし、別に不健康になったって
今すぐ死ぬわけではないし、それより健康に生きようとして
大脳新皮質を酷使する方が嫌だ、と人体は判断するのです。

(大脳新皮質というのは、人間の脳の中で、理性を
司っている部分です)

このアメリカ空軍の実験でもそれ以外の実験でも、人間の
生活習慣や考え方は「感染」することが観察されています。

まるでウィルスが空気を経由して感染するように、考え方や
習慣まで感染してしまうのです。

だから、私たちは尊敬する人とできるだけ一緒にいるのが
いいんですね。

たとえばそれがウォーレン・バフェットであったら彼の本を
擦り切れるほどよんだり、彼が語っている絵映像を何度も
見たりして、できるだけ「一緒に」いるようにする必要が
あります。

逆に言えば、それだけで「感染」して彼らのようなマインドを
手に入れられるわけですから、ある意味簡単なのかもしれません。