ドーパミンという脳内物質の名前は聞いたことがあるでしょう。
しかし、この本当の働きを知っている人は少ないです。
結論からいうとドーパミンは非常に問題のある物質です。
ここではそれについて詳しく説明します。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■ドーパミンは人間に飢餓感だけをもたらす
多くの人が勘違いしているのは、ドーパミンは人間に幸福感を
もたらす、ということです。
なのでドーパミンが出れば出るほどいいと思っている人が
多いのですが、実はこれは間違いなんですね。
昔は科学の世界でもそう勘違いされていたのですが、
今は違うということがわかっています。
ドーパミンは幸福感ももたらしますが、同時に「飢餓感」も
もたらすのです。
なぜかというと、ドーパミンは、私たちが「課題を
クリアするために」脳が作り出す成分だからです。
私たちはより強い生物になるため、何かにチャレンジ
しなくてはいけません。
チャレンジするには努力が必要です。努力をするためには
「今のままではいけない」という危機感を持つ必要が
あります。
「○○になりたい」と「望む」気持ちと同時に「今の自分は
嫌だ」という「嫌う」気持ちの両方が必要なのです。
ドーパミンはこの両方を人間にもたらす物質なんですね。
これがあるからこそ、人間は金メダルとか世界記録を
苦しいくらいに追い求め、手にすることができるのですが、
じゃあそれでドーパミンの放出が終わるのかといったら、
終わらないのです。
願望が満たされた経験をすると、さらに強いドーパミンを
出すようになるんですね。
■ドーパミンは「人間の業(ごう)」の正体
こういう「どこまで行っても満足できない」という人間の性質を、
仏教用語では「業」といいます。
特にアーティストなどにその傾向が強く、彼らはそれに悩んで
しばしば自殺をしたりしてしまうのですが…。とにかく
この「業」の正体は、「ドーパミン」だったんですね。
仏教が適当に「人間とはこういうものである」と想像で
語ったのではないのです。
立派に「ドーパミン」という科学的な物質があり、それが
私たちを操っていたんですね。仏教で業を説いた人々
(多分ブッダかその前の人々)は、それに気づいていたのです。
この件に限らず、般若心経などの仏教の経典の内容は
きわめて科学的ということで知られています。
こういう科学的な裏付けを学ぶと、ビジネスの精神論も
より納得が行くと思います。