ボランティアをするというのはいいことですが、
「ボランティアを仕事にする」ということにこだわり過ぎて、
いつの間にか本来の目的を見失っている人、
というのは結構いるようです。
ここでは、ボランティアの世界に長く身をおいていた、
友人が見た業界の内側について語ります。
音声も撮ったので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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■「ボランティアが仕事」というと尊敬される
たとえば「仕事はデザイナーです」というと
格好いいと思われるのと同じで、
「仕事はNGOの代表です」というと、
やはり多くの人から格好いいと思われます。
特にボランティアの業界に長く身を置いていると、
これを仕事にすることがいかに難しいかということを
誰もが痛感しているので、NGOの代表として生活している人は、
さらに羨望の眼差しで見られます。
そうした先輩を憧れの眼差しでみているうちに、
いつの間にか自分もそうなりたいという気持ちが強くなり、
途上国のためにうんぬんというより、
「ボランティアを仕事にする」ことが目的になる。
ということがよく起きるそうです。
■もちろん、仕事にすること自体は悪くないが…
友人はデザインや文章など自分の趣味を仕事にした人間なので、
「好きなことを仕事にする」ということについては、
誰よりも好意的な一人だと自負しています。
(少なくとも実践はしています)
ただ、内容がボランティアという、少なくとも建前は
「公益のためにやっている」仕事である以上、
それで自分が生活するということだけが目標になるのは、
ちょっとおかしいだろう、といつも感じているということです。
「そんな人いるのか?」と外部から見たら思うかもしれませんが、
意外と多いそうです。
人間は自分がいる世界しか見えていないので、
その世界で尊敬されている人を見ると、
その人が世界のすべてのようにすら思えてしまい、
自分もそうならなければいけない気がしてくるのです。
(ネットビジネスでもそういう部分がありますね。笑)
いわば大きなNGOの代表が宗教の教祖のようにすら見え、
いつの間にか当初の「人のため」という志は消えてしまい、
その業界での自分の実績や知名度を上げるのにやっきになる、
ということがよく起きるそうです。
もちろん、そうでない人の方が多いのですが、
そういう人もごく一部いるということです。
これはネットビジネスでも似たようなことがあるので、
私たちも気をつけたいと思います。