■人は、他人のネガティブな話に興味を持つ

ある心理学の実験で、2人の先生が学生に向かって話をしました。
一人目はポジティブな話、そして二人目はネガティブな話をしました。

痴漢

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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その話の後、どちらの話が面白かったか学生に聞くと、
圧倒的にネガティブな方だったというんですね。

ここでの話の具体的な内容まではその本には書かれていなかったのですが、
たとえばこんな感じではないでしょうか。

ポジティブな方は、

「私は約束は必ず守るようにしています。
 そうすると、私の周りの人が、あの人は約束を守る人だ、
 というイメージを持ってくれるため、その暗示によって、
 私はさらに約束を守れるようになっていくのです」


…と。あくまで例ですが、
確かに聞いていて「ふーん」という感じになるでしょう。
「その通りだけど、それで?」という感じですね。

ネガティブな方は、これは完全に想像ですが、
たとえばこんなのだったらどうでしょう。

「学生諸君、今日までありがとう。私は今日で教授を辞める。
 昨日痴漢をしてしまったからだ。
 近くにいた男性につかまり、私は駅員に突き出された。
 話はすぐに大学に伝わり、私の懲戒免職が決まった」


多分、寝ていた学生も起きるでしょう(笑)。
「痴漢」という女性が不快感を感じる内容も、
あえて選んだものです。

この内容だと、教室の女子学生たちは全員眉を潜めるでしょう。
口には出さなくても「サイテー」とか「死ね」
という空気が流れると思います。

男子生徒がその空気をどう思うかはさておき、
とにかく、「いきなり空気が変わる」のは確かです。

もちろん、もっといい内容で変えられたら一番いいのですが、
とにかく「ネガティブな内容は、人の記憶に残りやすい」
というのは、この例でも何となくわかるのではないでしょうか。

…という風に、自分の中に欠点とか暗い過去があるというのは、
使い方次第でものすごいエネルギーになる、
ということなんですね。

私自身も、それをまだ完璧に実行できてはいないので、
今後の自分の物語をどう紡いでいこうか、
考え中の身なのですが…。

(そもそも、誰だって永遠に考え中のような気もしますし、
 それでいい気もします)