■マシュマロの実験

これは『スタンフォード大学の自分を変える教室』という、
有名なベストセラーにも書かれていたものです。

子どもたちを集めて、彼らの目の前にマシュマロを置いておきました。
そして、先生が外に出る前に、彼らにこう言います。

「先生が戻ってくるまで、食べるのを我慢できたら、もう一つあげます。
 食べてしまったら、その1個で終わりです」
と。

そうして部屋を出た後、しばらくして先生が戻ってきたら、
大半の子供はやはり食べてしまっていたそうです。

…と、ここまでは予想通りでしょうが、
この実験でおもしろいのは「食べなかった子供たちは、
どうやって我慢したのか」
です。

基本的に、彼らはマシュマロを見ないようにしていました
見えないところに隠す、何か違うことをする、などのことをして、
注意をマシュマロから逸らすようにしていたんですね。

中には髪の毛をかきむしったりして、
必死に誘惑と格闘している子供もいました(笑)。
(マシュマロって、そんなに大事なものだったんですね。笑)

で、当然ですがここでマシュマロを我慢した子供の方が、
その後社会的にも成功した割合が断然高かったそうです。
それは身の回りの人を見ていてもわかりますよね。

「あ、この人マシュマロを我慢できるタイプだ」とか
「食べちゃうタイプだ」とか。

食べちゃうタイプの人が成功することもあります。
ただ、それはもっぱら芸術の世界ですね。

芸術の世界は人の本能に訴えかけるのが仕事なので、
自らも本能のままに生きることが重要です。

ただ、それをやると大抵の場合破滅します。
借金しながら風俗で遊びまくって
死んでしまった石川啄木が典型ですが、
本能のままに生きるということはそういうことなのです。

成功するにしても、それは死と引き換え、
あるいは豊かな健康と引き換え
というような、辛いものなんですね。

ほとんどの「普通の人々」は、本能を制御して、
理性によって成功するのが普通ですし、それしかできないのです。

なので、このマシュマロの実験で我慢した子供たちを見習って、
「後々の大きな成果を取る」ということを考えるべきなんですね。