■なぜ人間は派閥を組むのか

人間が派閥を組む理由ははっきりしていて、
「共通の敵がいると、集団がまとまる」という法則があるからです。

たとえばヒトラーは、崩壊していたドイツをまとめるのに
「ユダヤ人」という共通の敵を設定しました。

彼らを迫害することで、バラバラだったドイツをまず一つにまとめ、
その上でさらに「連合国(アメリカ、イギリス、フランスなど)」
というもっと大きな敵を設定し、
ドイツ国民を一丸にすることに成功したのです。

人の悪口で盛り上がる、というのも同じ構造です。
悪口を言っている間、そのターゲットの人は「敵」です。

そして、一緒に悪口を叩いている人は「味方」です。
悪口によって共通の敵を作り、
その人と仲良くなろうとするわけですね。

…という風に仲良くしたいという気持ち自体はいいと思いますが、
これは低次元な方法なのは言うまでもありません。
これが肯定されるなら、いじめだって肯定されてしまいます。

つまり、人が派閥を組むのは
「共通の敵を作ってチームをまとめたい」という理由で、
もし他の方法でもチームがまとまるなら、派閥は要らないんですね。

一人ひとりがバラバラで、正しいことだけを考えていれば、
「今度こういうことやるんだけど、一緒にやらない?」という
正しい提案さえすれば、すぐに集まってくれるのです。

そして、正しいメンバーで正しい行動をするのだから、
その時点でしっかりまとまっています。
なので、派閥なんて作らなくていいんですね。

その仕事が終わったらまた「ソロ活動」に戻るけど、
こういう人たちは「離れていても友達」なので、
わざわざ派閥を組んでつなぎとめる必要もないのです。

要は、そういう生き方を貫けるだけの
能力や精神力の強さがあるかどうかなんですね。