■欲しいものをすべて手に入れると、人間はどうなるのか
これは歴史が示していて、
たとえば中国の皇帝などは悲惨なことになっています。
彼らは宮殿に何千人という美女を囲っており、
性欲に関してはどんな願望でも満たせる状態でした。
そうなると、もう普通のセックスでは飽きたらなくなるんですね。
で彼らは何をしていたかというと、
「妊婦の腹を割いて胎児を取り出す」
などの悪趣味な「プレイ」をしていたのです。
もはやプレイではなくて拷問とか虐殺の域ですが、
このくらいしないと、もう彼らは興奮できなくなって
しまったのです。
これを見てもまだ「欲しいものをすべて手に入れる」
を正しいと思うでしょうか。
「いや、そこまで行かなくても、
その一歩手前が欲しいんだよ」
という人もいるでしょう。
気持ちはよくわかります(笑)。
ただ、多分中国の皇帝たちも最初はそう思っていたはずなのです。
最初から「妊婦のお腹を切り裂くプレイ」なんて
興味を持つ異常者はいないでしょう。
しかし、普通の快楽が毎日24時間態勢でいつでも手に入るようになったら、
いつの間にかこういう風になってしまったということです。
実際、今の私達の生活は、
昔の王族以上に豊かなものですからね。
確か「アイスクリームの歌」というタイトルで、
「♪おとぎ話の王子でも、昔はとても食べられない♪」
という歌詞がありましたが、まさにその通りなのです。
私達は「昔の王子でも食べられない」ものを、
毎日当たり前のように食べているのです。
それでも全然満たされない、まわりと比べて
自分をみじめに感じるというのは、
結局のところ「これだけのものがあれば人間は満足」
というラインがないことを示しています。
なので、「普通のハーレムでいいんだよ」と今は思っていても、
いざ手に入れると、もう満足できなくなる、
というのは間違いないことです。