■とにかく場数をたくさん踏むことで慣れていく

先のように書くと、「結局何もできることはないのか」
思われてしまうかも知れません。
しかし、会話力を磨く具体的な方法はもちろんあります。
それが、「とにかく場数を踏む」ということ。

場数

音声も撮った↓ので、聞きながらだと、わかりやすいと思います。
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全然具体的ではない、と思われるかも知れませんが、これが一番です。
たとえば私がここで「こんな風に自己紹介をするといい」などと書いて、
その通りに自己紹介をする人を見て、あなたはどう思うでしょうか。

「何、このわざとらしい人」と思うだけでしょう。
人間はそういう「作り物」が基本的に嫌いなのです。

もちろん、相手に対していい感情を与えたいとしてやったことなら、
微笑ましいことでもあると思います。

しかし、基本的に「こういう話し方が好かれる」というノウハウの類は、
「人間はこうやって話しておけば味方になる」というような、
例えて言うなら「犬のしつけ」のような臭いが漂います。

人間はそういうものを本能的に察知するので、
あまりそういう小細工はしない方がいいのです。


■「ゆっくり話す」などの肉体的なコツはある

…とはいうものの、肉体的なコツはいくつかあるのです。
その一つが「ゆっくり話す」というものです。

人と話す時は、やはり緊張します。
そして人間は緊張すると早口になります。

なので「ゆっくり話す」と意識するくらいでちょうどいいんですね。
そして、ゆっくり話すのも「発声の筋肉をゆっくり動かす」
という一種の運動ですから、スポーツと同じように訓練が要ります。

たとえば老人ホームではヘルパーさん達が、
すごくゆっくり話しています。

「おばあちゃん。散歩。行こうか」

みたいな感じですね。(文字でうまく表現できないですが。笑)
あれを急に真似しろと言われてもできないですよね。
これと同じように「ゆっくり話す」「しかも自然にゆっくり」というのは、
日頃から訓練していないとできないのです。

そのためにも、先に書いた通り「場数を踏む」というのが一番なんですね。
一人で部屋で練習するのもそれなりの効果はありますが、
やっぱり「実践」が一番です。